二世帯同居がうまくいかないとき、そのしわ寄せをかぶるのは、多くの場合、妻たちである。しかし、夫だって平穏でいられるわけではない。「たまには婿さんと二人で晩酌を酌み交わせるかと思っていたのに、まったく寄り付かない。いつまでたっても腹を割って話せない」「かわいい嫁の手料理を楽しみにしていたのに、ちっとも呼んでくれない」「珍しく話しかけてくるかと思えば、いつだって金の無心ですよ。ときたま旅行に誘われても、払うのは結局、私たち。
(参考)
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親を打ち出の小槌だとでも思っているんでしょうかね」子供たちには子供たちなりの言い分がある。夫はたいてい三十代の働き盛り、妻は子育て真っ最中。ただでさえ毎日が忙しくあわただしいのに、親の気持ちにまで思いがいたらない。何かと出費が多くて経済的に苫しいから、思わず親に甘え、頼ってしまうのである。けっして親を軽んじているわけではない。しかし、ひとたび歯車が狂い始めると、双方ともに素直な気持ちで話し合うことができなくなる。親子であるだけに、かえってホンネを伝えにくい場合もある。ある母親は、日中、突然、雨が降り出したときにお嫁さんが留守の様子なので、息子夫婦が住む二階に上がって洗濯物を取り込んでやった。すると、夕方になって帰宅した嫁にいつになく強い口調で「勝手に私たちの部屋に入らないでください」と言われた。母親はたいへんなショックを受けた。