貸付信託は合同運用指定信託の一種であるが、信託銀行が受益証券を発行することにより、顧客から集めた資金を長期貸付を中心に運用し、その運用収益を元本に応じて比例配分するものである。金銭信託と同じく実績配当が採用されているが、元本が保証され、信託期間は二年と五年の二種類がある。なお、収益を半年ごとに受け取らない代わりに、半年複利方式により、満期に一括して受け取る新型の、通称、ビッグと呼ばれる貸付信託が存在する。信託銀行が貨幣を集めるために発行する金銭信託や貸付信託の信託証書が間接証券であり、これらは銀行の預金証書に相当する。信託契約においては、最終的貸し手は貨幣と交換に信託証書を購入し、信託銀行はそれによって集めた貨幣を企業等に貸し付け(信託銀行による借入証書の購入)、企業等が発行する債券や株式などの本源的証券を購入する。これにより、貨幣が最終的借り手に流れる。
短期資本収支は大きく分けて、貿易金融に基づくものとそれ以外の短期の借款と証券取引に基づくものとに分けられる。貿易金融は、輸出業者(シッパーズ)が輸入業者に代金の支払いを猶予するシッパーズユーザンス(満期期間一年以下)や輸出前受金・輸入前払い金などをいう。借款には、外為銀行以外の居住者が非居住者から短期で借り入れるインパクトローン(使途の限定されないローン)などが計上される。八五年五月に、ユーロ円インパクトローンが解禁になって以来、それが借款の中心になっている。短期の証券取引は、一年以下の短期の証券取引に伴う資本の流出入である。これは、海外で発行された譲渡可能性定期預金(CD)やコマーシャル・ペーパー(CP。企業が資金調達のため発行する無担保の短期約束手形)の取得や処分などをいう。例えば、日本の居住者(機関投資家やその他の金融機関や企業や個人)が海外で発行されたCDを取得する場合には、短期資本収支の支払い、すなわち赤字要因になり、それを外国の投資家(非居住者)に売却する場合には、短期資本の流入、すなわち黒字要因になる。
円の国際化はむしろこれからの課題です。そのためには、日本は国内の金融・資本市場を外国人にも開放し、各種の規制も撤廃しなければなりません。株式・債券市場の閉鎖性も取り除くことも必要でしょう。このように円を利用する機会を拡大させ、円の国際化が進めば、経済力に見合った日本の国際社会での発言力が増すほか、日本の金融・資本市場が国際金融センターになって外国人が自由に参加できるようになれば、日本経済自体が厚みを増すことにもなります。日本企業は貿易や資本取引で為替リスクを回避できるし、海外での資金調達・運用も便利になります。円の国際化が進むかどうかは、外国の円に対する信頼が高まることと同時に、日本政府の今後の対応にかかっているといえそうです。